患者とスタッフに負担をかけない、病棟トイレの空室状況を知らせる方法!

ちょっとした工夫が医療スタッフの省力化に繋がる

病院の病棟における水まわりをを改修した時の事例です。

1. 6つの個室型トイレの空室状況

その病院には1つの病棟にメインの廊下が2本あり、男女の区別ない個室型のトイレを、2本の廊下にそれぞれ面したかたちで6つ配置する計画となっていました。患者さんがその症状にあわせて選ぶことができるよう、大きさと仕様のバリエーションをつくる考えです。

打ち合わせが進む中、みんなで悩んだ点がありました。「一方の廊下にいる場合他方の廊下のトイレの空き状況がわからない」というものです。

2. ちょっとした省力化に繋がる

「電車とか飛行機みたいに、空き状況が一目でわかればいいのに‥」

それだということになり、写真にあるようトイレの空き状況が一目でわかる、トイレに患者さんが入れば自動で点滅する電光表示サインをそれぞれの廊下に設置しました。患者さんは元より、このサインを喜んだのは病棟で活躍する医療スタッフです。

病棟の仕事は医療だけではありません、むしろ患者さんの介助の労力は相当なものです。その点どちらの廊下にいてもトイレの空室状況がわかるこのシステムは、忙しく働く医療スタッフの省力化に繋がったようです。

3. まとめ

ちょっとした工夫で省人化・省力化が図れます。具体的な時間数やコストして表面化しないだけに、ボディーブローのように収益に効いてきますので注意が必要です。

ABOUTこの記事をかいた人

認定登録医業経営コンサルタント、一級建築士。SAWA医療設計(株)代表取締役社長。株式会社石本建築事務所に14年間勤務後、2005年に札幌にて独立開業。25年以上にわたり病院設計に従事。病院専門の設計事務所として、改修および企画設計の技術・ノウハウを蓄積。複数の医療機関の改修工事に携わりリノベーションの実績をあげている。【SAWA医療設計ホームページ:http://www.sawa30.com】