“別敷地で建替を行う”際の2つのチェックポイント
■ 建替時に検討するべき3つのパターン!
【A】既存の建物を大改修する (一部増築も検討)。
【B】同敷地で建替を行う (建替後は既存建物解体)。
【C】別敷地で建替を行う (既存の土地建物は別用途もしくは売却)。
最後は “【C】別敷地で建替を行う “際の土地取得に関する、2つのチェックポイント についてお話します。
1. 災害時の被害を予測したハザードマップ
土地取得においては診療券分析、公共交通機関や近隣の施設など様々なチェックを行いますますが、加えて必ずチェックして頂きたいのが、「災害危険箇所図」いわゆるハザードマップです。これは市などの行政機関が、地震、洪水、浸水、土砂災害などの被害を予測し、被害のその地域の情報を掲載した地図のことです。
例えば、札幌市のホームページでハザードマップを見てみると、「地震防災マップ」「中小河川洪水ハザードマップ」「土砂災害危険箇所」などの情報がPDFで開示されています。
病院建築は、地下階を設けその部分に電気室、機械室、場合によっては放射線部門の一部を計画することがよくあります。河川の氾濫や浸水により、それらの部門に被害がおよぶと病院運営の存続に関わりますので、ハザードマップをその見極めの材料にするのが良いでしょう。
また候補地が災害危険箇所区域に入っている場合でも、万が一の被害を最小限に抑えるための方策はあります。計画段階から災害への対応策を検討してもらうよう、設計・施工業者さんにお願いするようにして下さい。
2. 土地の地盤が強固か軟弱かチェックする
7、8階建の鉄筋コンクリート造の病院でも、地盤が強固であれば杭は必要がなくなり、工事コストの圧縮と工期の短縮に繋がります。逆に地盤が軟弱な場合は、杭工事などにお金と時間がかかります
しかし土地取得の検討段階で、地盤の詳細な調査をする時間と猶予はなかなかありません。そのような時は、ターゲットとなる土地にビルが建っていればその建物の竣工当時のデータを、建っていなければ出来るだけ近い場所に建っているビルの地質調査のデータを手に入れて下さい。
データ入手の方法は、直接ビルオーナーに打診お願いするか、近隣で工事をしている業者さんもしくは、杭工事を専門にされている業者さんに問い合わせするのが良いでしょう。
3. まとめ
上の2つのチェックポイントは見落としがちな内容ですが、事業コストと運営に大きくかかわります。「目には見えない土地の特性」にも注目しながら検討を進めると、事業性はより高まります。